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LINE株式会社/上級執行役員 ビジネスプラットフォーム企画担当 /

マーケティングソリューションカンパニーCPO

二木 祥平氏

大学在学中よりリクルートにて新規事業の立ち上げや大規模サービスの企画・開発を経験。2015年7月、LINE株式会社に入社。プロダクトマネージャーとして「LINE公式アカウント」のリニューアルや「LINE広告」の立ち上げに携わり、主に日本、台湾、タイにてプロダクトを展開。「LINE」を通じて企業やお店とユーザーの距離を縮めることがミッション。2019年1月、最年少で執行役員に就任。2022年4月より現職。

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Plug and Play Japan 株式会社/執行役員COO

内木 遼氏

2006年に東京電力入社。海外プロジェクト等を経験後、豊田通商に移り、事業開発・事業投資に参画。大学院生時代の起業の失敗経験を経て、デロイトトーマツベンチャーサポートのシリコンバレーオフィスにて金融、製造業等における新規事業開発コンサルティングに従事。2017年にシリコンバレー 発のアクセラレータ・VCであるPlug and Playの日本オフィス立ち上げに参画し、毎年約50社の大手企業と100社以上のスタートアップの支援を行う、イノベーションプラットフォームを牽引している。東京電力のCVCであるTEPCO Frontier Partnersの投資委員を兼務。コロンビア大学MBA修了。

11月4週目にアルムナイ向けイベントを開催しました。(※継続学習と異業種の次世代リーダーとの出会いを目的として、ファカルティや修了生による勉強会イベントを定期開催しています。)

第2回目は、LINE株式会社上級執行役員ビジネスプラットフォーム企画担当 ・マー ケティングソリューションカンパニーCPOの二木 祥平(Niki)さんと、Plug and Play Japan 株式会社 執行役員 COOの内木遼(Ryo)さんをお招きし、ミネルバの18のハッシュタグから「次世代に必要なコア・スキル」として大事なものを3つ選んでもらい、語っていただきました。

進行役は、こっから×ミネルバ運営チームのNaokiです。

以下、イベント内容を一部抜粋してご紹介しています。

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Naoki:お二人が共通して選んだハッシュタグは、#systemsthinking、#purposeの2つ。

もう一つは、Nikiさんが#selfawareness、Ryoさんが#innovativemindsetを選んでいただきました。

あらゆる物事を捉えるベーススキルーー#systemsthinking

Niki :ミネルバの#systemsthinkingにはズームイン、ズームアウトという発想があり、もっとも好きなハッシュタグの一つです。普段のプロジェクトやプロダクトマネジメントにおいても、そのプロダクトに関わるビジネス・ヒト・技術構成などの様々な因子やその関係性をどう捉えるかが、仕事のアウトプットに繋がると思っています。「やってみないとわからない」というマジックワードを盾にして進めるプロジェクトを見かけることもありますが、予想通りに失敗することも多いんじゃないでしょうか(笑)
 
#systemsthinkingの大事な思想に「予測不可能なことを予測する」というものがあります。最初の段階で#systemsthinkingを使いながら、ズームイン、ズームアウトして、視野を広げて物事を見ていくことで、完全に予測することは不可能でも、成功の確率を上げていくことが大事だと考えています。

そもそも何のためにやっている?ーー#purposeと”勇気”

Ryo:#systemsthinkingは仕事自体のベースになるものとして大事です。しかし僕は、より#purposeの方が重要だと感じます。ロジカルであっても「自分が何者で、何を世の中に残したいのか」という芯がなければ、何においても成し遂げることはできないと思っています。

Niki:僕も#purposeを選んだ理由については似ています。#problemanalysisとすごく迷いました。ステークホルダーが増えるほど「何のためにこれやってるんだっけ」という本来の目的を見失いがちです。例えば、当初は社会を変えていきたいと思って立ち上げたプロダクトもいつのまにか一番の目的が売上拡大等、別の目的にすり替わっていることがあります。あくまでキャッシュは事業推進のガソリンという意味でとても大切で、さらに重要なのは本来何を成したかったのかという部分。なので#purposeを見失うと、どんどんやりたかったコトと乖離していくプロダクトになってしまいます。
 
また、「そもそも」に立ち戻れる‟勇気”を持つことも大切です。サンクコストバイアスのセッションもありましたが、サンクコストにどう向き合い「そもそも、なぜやるのか」という#purposeに立ち戻れるか。僕は”企画耐久力”と言っていますが、企画を出すと、様々なハードルを越える必要があります。#purposeを突き詰めている案件やプロジェクトは、周囲への説得力もあり前に進みます。逆に「誰々さんが言ってました」という人の案件は、自分の言葉で語れないので本当に前に進まないです。

Ryo:めちゃくちゃわかります。最初に組織横断で人員を取ったとき、いくつか難易度の高いプロジェクトを社内で任せました。弊社もいくつか職種毎に組織が分かれている中で、他部署からそのプロジェクトに対して集中砲火を浴びせられました。「なんでこれやるんでしたっけ」となった時に、「◯◯さんが言ってたからです」と部下が答えていたのを見て、これは絶対うまくいかないと思いました。結局、そのプロジェクトは自分がテイクオーバーしました。その後は、#purposeを意識して「何のためにやるのか」を、社内のステークホルダーにしっかり理解してもらい、根回しも行いながら進めるようにしています。

課題やフィードバックを受け入れ、前に進むための構えーー#selfawareness

Niki :心折れることって毎日起きます。急な方針変更や、進めている戦略に対して賛同者があまりいないこと、新しいことをやろうとしたときの反発など。プロダクトマネージャーだからこそかもしれないですが、自分でコントロールできないことが沢山あります。そういった課題に対しては、耳を塞ぎたくなりますよね。

僕は特に社会人最初の頃、打たれ弱かったんです。どうしようと思って仏教の本を読み始めた中で、‟諦める”という言葉を覚えました(笑) ‟諦める”ってネガティブな印象かもしれませんが、本来は「物事を明らかにする」という意味です。物事が明らかになって初めて、そこから向き合えるという語源があると知りました。なので、まず諦めて受け入れてみようと思えたんです。その上で、何に向き合うのかを考える。一瞬、力を抜いて「まあ、そうだよなって」受け入れた時に、初めてその課題に向き合えたという感覚がありました。

本当に課題を解決しようとするのであれば、まず課題を受け入れるスタンスになることが大切です。課題を受け入れる時によく使う思考体操としては、批判やフィードバックを受けているのは自分自身ではなく、CPOとしてのNiki、◯◯リーダーとしてのNikiというように、対ポジションとしての自分に言われていると捉えることです。人格とは分けて考えることで、自己否定にならず、フィードバックを受け入れることができるようになります。

課題を受け入れることができたら、 ‟何で”じゃなくて‟何を”で考えるようにしています。 ‟Why”だと、なぜこんなことを言うのだろうと、過去に視点を置いてしまうので、どんどんネガティブ思考になっていきます。‟What”で考えると、次に何をやっていこうかと未来に視点を向けることができます。自分の心がポジティブになりますし、それが課題を解決していくためのエネルギーにもなっていくので、#selfawarenessはとても大切だと思います。

1人の猛烈なファンがいるサービスに投資するーー#innovativemindset

Ryo :今後リーダーは、まずパーパスドリブンであるべきだと思っています。その上で、合理的に既存ビジネスの課題解決をしながら、一方で#innovativemindsetを持って新しい事業やアイディアを作っていく。要するに、右脳と左脳の両輪を回していかないと、今後の日本を背負ってはいけないと思っています。例えば、ベンチャーキャピタルがスタートアップに投資する時に見ているのは、合理的に考え尽くされたビジネスだけではありません。むしろ、ピーターティールが「100人良いと言っているビジネスには投資するな」「一人の猛烈なファンがいるサービスに投資しろ」というようなことを言っています。必ずしも合理の中に全ての解が埋まっているわけではなく、閃きやぶっ飛んだアイディアも自分の中に組み込む必要性を感じています。「両利きの経営」という本で入山先生もおっしゃっていますが、人にも組織にとっても#innovativemindsetが重要だと思います。

対談を終えてーーハッシュタグを使う「場」を作り、反復学習を

Niki:ミネルバ修了後は、ビジネスの実践において「どのLoを使ったか」を意識的に皆で振り返ることで、反復学習に取り組んでいます。来週は社内のミネルバ卒業生で「最近の‟イーロン・マスク”をハッシュタグで紐解く会」をやります。Twitter買収のように、市場でインパクトのある動きがあると、良いところも悪いところも含めて、僕たちも自身のマネジメントのスタイルや考え方に影響を受けがちです。そういう時にミネルバのハッシュタグのような、ソフトスキルを言語化したスキルチャートがあると、自分が迷わなくなります。困った時の‟拠り所”になるのがミネルバの強さだと思います。

Ryo:やはり、ミネルバの授業を終えて時間が経つと、ハッシュタグなど滋養にしようと思っていたことを忘れてしまいます。LINE社が修了後も、定期的にグループを組んで反復学習されていることが素晴らしく、弊社でもやりたいと思いました。また、皆さんと和気藹々と話ができて、いろんなハッシュタグで盛り上がったので、今後もアルムナイSlackなどのコミュニティで繋がり、ご一緒できたらいいなと思います。

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この他にも、インディビジュアルディファレンスとパワーダイナミクスを用いた事業推進など、ビジネスの最前線で活躍されている二人のリアルな話を存分に伺うことができました。

 

参加者からは、ビジネスだけではなくプライベートにもハッシュタグを取り入れているとの話しや、企業や事業だけではなく、個人のパーパスを問うことの重要性など、Mnagaing Complexityで学ぶ「Learning Outcome」との接続を意識した感想が多く寄せられ、学んだ知識の定着、そして継続学習の場として満足度の高い催しとなりました。​

 

それでは、次回以降の開催もお楽しみに!

Alumni Event Report 02

LINE株式会社 二木 祥平 × Plug and Play Japan 株式会社 内木 遼氏

ハッシュタグでひも解く次世代のコアスキルとは?
困ったときの拠り所となる‟ミネルバ式”の強さ。

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